
これはありがたいことになかなか好評だったやつです。オーディオ粘土。
ちょうどこの頃、上野の博物館でやっていた縄文土器の展示がむちゃくちゃ良かったんです。何が良いって、そこにある土器や土偶が全て”生きている”。
写真技術以後を生きる我々現代人は、瞬間を精密に分析的に捉えたものをリアルと感じがちだけれども、土偶や土器には動作、連続した時間を含めてカタチに落とし込んだいわば動的リアリティがある。
静的リアリティの観点からは歪んで見えたとしても、それは古代の人々の観察力が劣っているからではなくて、そもそも止まったものそっくりに作るということに動機がない。むしろそれらが作られた目的は止まってしまったものや失われていくものを再生する祈りにであったに違いない。一万年後の子孫が言うんだから間違いない。
…という大それたことをマジで考えてたんだなぁこれが。粘土こねながら。

これが、かなり面白い。造形用プラスチックも最近はいいのがあるんですねぇ。子供の頃出会ってたらめちゃくちゃハマっただろうな。

マラソン試聴会というのは、実物のオーディオが現場でバンバン入れ替わり立ち替わり登場するので、その感じをチェスっぽく見立てています。チェスっぽいけど、全部の駒がこっちを向いている謎のゲーム。オーディオに勝ち負けはないからね。
そんな感じで作っています。
教訓:一万年後によろしく
ダイナミックオーディオ 企画室
佐藤 泰地