Stereo Sound No.212

ステレオサウンド212号 ダイナミックオーディオ広告

ブルガリアに旅行に行ったら、全然ヨーグルトって感じじゃなくて、オスマン帝国と共産主義の残り香のする不思議な国だった。

その残り香の内で印象に残ったのが刺繍文化。料理なんかもそうですけど、文化というのは社会システムの変化のなかでも、しぶとく残っていく強度を持っているのかもしれません。オーディオもそうであって欲しい!そんなわけでチャレンジしてみることにしました。刺繍に。

ところがこの刺繍というやつが想像を超えた苦行。なにしろ裁縫経験ゼロなので、まず始めに針に糸を通すだけで30分。一日があっという間に過ぎていく。

この横線一本につき1時間かかってました。延々と続く終わりが見えない作業に対する耐性があってよかった。マゾで得した〜。

その後およそ初心者が陥るであろう数多の失敗を概ね体験し尽くしたがために変なハイになりつつ、ようやく電子回路図と楽譜が繋がっているの図が完成しました。

ユザワヤって便利ですね

普段から、ドラマや漫画や広告の小道具としてオーディオが登場した際に、トーンアームの位置が逆さだったり、真空管の数が不自然だったりしようものなら「クワーッ!」っと激昂して周囲の人々に鬱陶しがられている僕としては、モノの仕組みに対して敬意を払いたい。試しにその道のプロに回路部分を見せたら「あ〜四極管ウルトラリニアですね〜」と言ってもらえたので一安心。

↑はうちのカメラマン(3Fの柴田)に「発掘された感じで撮って!発掘された感じで!」って言ったらこんな感じになった。ふたりで「なんかこれは怖過ぎるね」といってボツにしました。

こんな感じで作っています。

教訓:やったことないことやってみよう

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ダイナミックオーディオ 企画室 

佐藤 泰地